2011年04月13日

【教育】想像力の欠けた大人が作る大学入試「情報」

先週、ブログを更新し過ぎたのでしばらく休もうと思っていたが、やられた。Sobu研さんが書いてるブログが私のツボを押すものだから、書かずにはいられない。

ぶんどり合戦はいい加減にしろ [教育について](Sobu研)

大学入試センター試験に「情報」出題だと?何をご冗談を。

■大人に想像力がなぜ必要か?

1987年(24年前)、大学に入って最初の夏に、初めてPCを買った。そのためにバイトを必死にやったんだ。私の動機はパソコンに憧れていたのでもなく、ゲームをやりたかったわけでもなかった。パソコン通信がやりたかったんだ。だから、パソコンとモデムと通信ソフトを同時に買った。あの頃、まだ一部の人の遊びの世界だったので、独学だった。電話回線を使って、メールやファイルがやりとりできるって雑誌記事を読んで、なんて素晴らしい!と思ってたんだ。

パソコンを設置する際、電話回線を部屋に引き込むことになるわけだけど、親父に頭ごなしに反対されたのを今でも覚えている。パソコンというモノは理解できたが、パソコンと電話線を繋ぎ「何かをする」という事は、想像を絶したんだろうね。「ワケのわかないことはするな」の一言。

子供に対して、なぜ反対するか理由を言わずに、「自分がわからないから」という理由で反対するのはキライ。「自分がわからない」のは「想像力がないから」でしょ?

理解できなくても、理解しようと努力をし、最後は子供を尊重し、納得してあげる事はできるでしょ?そこに「想像力」というものがあれば。俺は、自分の子供には想像力をはたらかせて、接してあげたいんだ。

■想像力が全くない大人を見た事件

例の、京大の入試カンニング事件。大学の先生達の想像力を遙かに超えた、ネットを使ったカンニング。慌てた先生方は、警察に被害届けを出して逮捕しちゃった。なぜ被害届けまで出す必要があったのか、そんなの理由なんてない。自分たちの想像を超えていたから。君たちは、大人の作ったルールの中で、我々の想像の範囲内で動いていればいいんだよ、と。

いつまでも、自分たちの理解できる世界が続くと思ってるんだ。甘いね。時代は大人の想像力を遙かに超えて変化しているのにね。ただあんたらが時代についていけてないだけじゃん。

この事件が伝えるものがあったはず。入試制度、テストの手法そのものが、このままではよくないのでは?という事。人の答えを見て回答が出せるような、そんな試験じゃダメなんじゃないか、という事。

でも、何もかも握りつぶしたよね。力づくで。国家権力まで使ってね。悪い前例を作ったね。平成以降に生まれた人達に、昭和生まれで、想像力の欠けたおっさん達が、若い芽を潰した事件にしか、私には見えなかった。何かこういう事件がまた起きるな、という予感を残した事件だった。

■テストなんかいらない理由

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あの事件も、この大学入試センター試験に「情報」を追加しようとする動きも、同じ臭いを感じた。

自分たちの想像できる範囲の中でしか、考えていない。今の高校の「情報」科目を大学入試センター試験に追加したって、混乱するだけで、何の意味もない事に気づかない。

Sobu研さんは大学の先生という立場から記事を書いている。私はITという世界で20年メシを食っている立場で今日は書く。ちょっと乱暴な言い回しになるけど、失礼。

「情報」を大学入試センター試験に追加することが、なぜダメか。

「情報」という科目がそもそもテストとしてどうなのか。今の時代の子供達にWindowsのWordを教える事が、どのくらい大切なのか。しかも、テストで?どっちも、あと数年で消えていくかもしれないのに?

スマートフォンやタブレットは、買ったその日からなんとなく使えちゃうのに?TCP-IPのプロトコルは知らなくても、携帯で写真付きのEメールを送りあう事が小学生でもできているのに?無線LANの暗号化技術を知らなくても、PSPで無線LANでネット対戦ができているのに?

知らなくても使えているのに、仕組みや技術用語を暗記して、なんか意味あるんでしたっけ?と問いたい。仕組みを知りたくなった子供は自ら知ろうとする。別に知りたくない子供は、使えてるんだから、いいじゃんか。使えてない人に「覚えろ!」というのとは違うじゃんか。

子供達は、もう、そういう技術に生まれた時から、触れているの。想像力の欠けた大人達と決定的に違うのだ。大人達は「知らない」=「使えない」。子供達は、「仕組みは知らない」→「でも使える」「感覚で使える」という感覚。これを大人は理解してあげないといけない。たぶん、生まれた時からネットがあったか、大人になってからネットに初めて触れたか、という時代背景が大きいだろう。

出発点が違う、という理解がまず必要ではないか?そんな出発点の違う子供達に向かって、

「情報も大事だから、テストな?知らないと後でおじさん達みたいに困るぞ。」

って、笑わせるんじゃねーよ。困るのはてめーらだけだろ。職業訓練で「マウスの使い方」と「はじめてのワード」でも習ってろ、って事。おまえ(大人)がテストやっとけよ、って話。そんなもん、教科書を見なくたって、必要な技術は子供達は勝手に身につけていて、使ってる。大人が教えられる道具の使い方、なんてほとんどないんじゃない?

必要な教育は、モラルや、エチケットや、ネット上での人との接し方や、そういうことだけでしょ。もう、こういう時代になっちゃうと。あとは、いろんなサービスの使い方を参考程度に。それで十分でしょ。

だから、テストなんていらない、と思ってる。

俺は、性教育で、コンドームやピルの使い方を授業や教科書で教える必要なんてないと思ってる。知りたかったら自分で調べれるだろ?そんなもん、勝手に覚えるだろ?それより、避妊しなかった結果、子供ができちゃって、子育てに苦労した人の話や、病気になった人の話や、そういう実際に起こった体験を聞かせた方が、いいでしょ?

それと同じだと思うんだけど。やるとしたら、そういう「使っていく上で必要な知識、体験」の授業をやればいい。高校の教員が掛け持ちでやれるレベルじゃなくて、民間企業なりから現場の人を読んできて、話を聞かせてやればいい。それで十分。用語の暗記とか、クソ。

この世界で仕事してる俺が言うんだから、ちょっと信じてくれない?

■ITで働きたいけど、学生のうちに何しとけばいい?

ITで働きたいと思っている高校生や大学生はどうすんのよ?って言うかも知れないけど。そういう人にはこう言いたい。道具の使い方なんて、後からどうとでもなるよ、と。それより、ITの現場で必要なのは、こういう力。

1.読解力・・・要点・課題をすばやく見つけ、理解する。
2.情報収集力・・・あらゆる手段を使って情報を多角的にすばやく入手する
3.要約力・・・見やすくまとめる。長すぎず、でも必要なことは漏らさない。

報告・連絡・相談→「ホウ・レン・ソウ」って言うじゃん。ビジネスの現場は、まさにその繰り返し。その局面に、上の3つの力が必要。俺の仕事だって、結局は毎日これの繰り返しだもの。

どこもITじゃないじゃん?って思うかも知れないけど、たぶん本質は、これなの。2の情報収集にITを使う。ITじゃなくても、ビジネスマンの人達がやっているのは、ひたすらコレ。

だからさー。ほんとうに、私に言わせると、高校の「情報」で教えている内容ってSobu研さんの言う「鉛筆の持ち方」「消しゴムの使い方」なのよ。暗記して得な事なんて何もないよ。そんな時間あったら、Twitterを使って、言いたいことを140文字に収めるトレーニングを楽しみながらやったほうが、よっぽど実践的だよ。

入試の科目に追加とか、無駄な事やめない?「鉛筆の持ち方」と「消しゴムの使い方」のテストはいらないんだから。

以上。

関連リンク
【教育】子供の潜在能力を引き出すという視点
posted by Sakak at 23:06| Comment(4) | TrackBack(0) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月10日

【教育】子供の潜在能力を引き出すという視点

■能力を引き出してあげるキッカケ作りが大事

こちらに興味深い記事があった。

計算の速い子供が数学者に向いているのではないという話(ガジェット通信)

特に、この部分です。
その人が学習できる段階に達していないのに、いくら教えてもそれは無駄なのである。しかし、よほど教え方がうまい人ならば、その人が学習できる段階に達していなくとも何とか噛(か)みくだいて教えることが出来るかも知れない(そして、それこそが学校教育というものの正体なのだと思う)。

そういう学校教育を実現するには、どんな環境(人材?モノ?)が必要かを考えてみた。

それには、ホンモノを見せるしかないんだろう、と。その道の「プロ」って事です。教え方のプロではなく、その「何か」について、プロである人が理想。そして、そのプロっていうのは、その「何か」に関しては、好きで好きでしょうがない人。そういうのがいい。そういう人が教える「何か」というのは、きっと楽しいものになるからね。

子供達にはホンモノ感がいちばん効きそう。

例えば、コンピュータの授業であれば、教える事がプロではなくても「コンピュータを現場で扱っているプロ」が伝える方が、伝わるものは多いと思う。もっと言えば、作曲や作詞のプロがいて、その人が「コンピュータを使って」曲を作る。そういう授業もいい。数学なら、数学を教えるプロではなく、数学が大好きでしょうがない人に教えてもらいたい。その後ろ姿を見せる事が大事。物事を理屈ではなく「感覚で」取り込める子供達が相手だから、よりホンモノ感が求められると思う。

■高校の授業で教えている事

潜在能力を引き出すには全くなっていないと思われる今の高校の教科書。

高校の「情報」の教科書がすごい件(佐藤尚之)

初めて知ったよ。今の高校生はこんな授業が必須科目(?)にあるらしいね。ただ、こんなもの、穴埋めで丸暗記する事にどんな意味があるのか、全く理解はできなかったけど。それなら、年号をおもしろい覚え方で暗記するほうが、今でもたまに使えて役に立つくらいだよ。火縄焼く(1789)フランス革命だよ。

私の理想のイメージとは、ほど遠かった。中身を詳しく見てないから何とも言えないけど、ブログ解説から推測するに、単に、知識の詰め込みをしてる印象。暗記の量を比べるだけだろ、きっと。こんなものを覚えさせる事がかわいそう、と思う。こんなものを必須にしたら、この先嫌いになる人もいるだろうね。その方が、デメリットが大きいよ。

私がこの時期にやっておいたほうがいいと思う項目は、以下です。

ハードウエアOSとソフトウエアをちょろっとやって、ネットワーク(TCP-IP)を少し真面目に
・ネットサービスを使う上でのルールノウハウ( 事例紹介及び実習)
・個人情報の漏洩などによるセキュリティリスク(その仕組みと防衛術)

教材は、CompTIA A+認定資格のものを流用すればいいんじゃないかな?わかりやすい表現に変えたり、必要のないところは削除したりして。できる高校生なら、そのままA+の資格をとっちゃいなよ!って感じです。高校生くらいになると、できる子とできない子の差がかなり開くと思うので。できる子は自分でより高い目標に向かう事ができる。教える側にも生徒にとっても大事なアプローチだと思う。

あとは、残りの時間を使って、ネット上で楽しめる新しい技術やサービスを紹介して、実際に触れる機会を作ってあげたい。こんなに楽しいんだよって事を教えたい。

■モノを与えればいいというわけではない

こちらのニュース記事はもっと疑問。

ソフトバンク、小学校にiPadを配布--教育分野の情報化を支援 - CNETジャパン ニュース(提供:朝日インタラクティブ)

受け入れ側の体制はどうなってるんだろう。アプリは?教師のトレーニング、外部講師のアサイン、カリキュラムは?準備ナシでただばらまく行為は「白紙の重いノート」を配るのと同じ。優れたデバイスではあるけど、使い方をちゃんと教えないと意味がない。教え方を間違えると、子供達には「板のカタチをしたPSP」にしか見えなくなるかもよ。

ただでさえ、小学校での英語必修化が現場無視で進んでいるなかで、どういう事になるのか。試験的にということで地方の学校をあえて選んでいる意図は、自信のなさを裏付けるものか。

けっして、「iPadの使い方」という教科書を説明するという授業であってはならない。その楽しさがわかっている人が、楽しんでいる姿を見せる必要があるから。そういう準備を含む環境作りは必要だと思う。

以上。
posted by Sakak at 00:35| Comment(2) | TrackBack(0) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月02日

質が下がったのはメディアのほう(教師トンデモ授業問題)

「セクハラサイコロ」など教師によるトンデモ授業続々(アメーバニュース)

一連の騒動について思うことを書く。このニュースは事件の真相について伝えてない。こんな情報だけでは何もわからないし、だったらニュースになんかするなよと思う。

このニュースを読んで理解できるのは、窃盗罪で捕まったとんでもない教師がいる、という1件だけ。それ以外の話は、話しの前後関係がわからないから、良いも悪いも判断できない、というのが私の感想。その先生はどんな先生で普段はどうだったのか、授業の前後に何があったのか、生徒に好かれていたのか嫌われていたのか、どうやって事件化されたのか(誰が通報して事件扱いになったのか)等。

それにしても。。。

世の中や、子供を持つ親たちは、教師にどこまで期待してるのだろうか?面倒みてくれてるだけありがたい、が前提じゃないの?少なくとも子供を持つ親である私はそう思ってますけどね。

こういう事件をニュースにのせて「最近の教師はどうかしてる」的な風潮を作り出すことって、我々になんかメリットあります?ないですよね。ニュース的においしいかおいしくないか、っていうマスコミ都合だけですよね。

きっと、面倒見のいい先生は、いなくなるだろうね。熱血漢的な先生も含めて。だって裏を返せばリスク高いもん、生徒に近づけば近づくほど。

教師仲間や同業者、その教師の教え子の証言などの声は、なぜニュースにないんだろうか。どうして、マスコミはそこを拾わないのか。マスコミが教師バッシングにもっていきたいからにほかならない。

こちらのページも読んで、両方の話を聞いてから判断しても遅くないんじゃない?

セクハラサイコロ・私の知る話(Togetter)

mixiユーザーの方はこちらのほうが読みやすい。

ほのちゃさんの日記(mixi)

質が下がったのは、メディアのほうで、さらにいえば、責任を教師に押しつけて大騒ぎしているバカ親が増えたせい、っていうのが根本にあるだろうね。そういうやつに限って、給食費未払い(金はあるのに)とかね。昔はそんな親、いなかったもん。

カンチガイしてほしくないのは、このてのニュースに出てくる先生達を弁護したいわけじゃないからね。最初に書いたとおり、この材料だけでは、なんとも言えないって事。だったら、ニュースにすんな、って事。
posted by Sakak at 19:09| Comment(0) | TrackBack(1) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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